この記事は、司法書士になりたい人・転職を考えている人向けの記事です。
以前の記事で、司法書士の事務所はいくつかのパターンがあることを紹介しました。
この記事では、決済事務所に勤めた場合の仕事ルーティンを紹介したいと思います。
決済事務所に勤めようと思っている方は是非一度読んでから就職を決めてください。
決済事務所の業務
まず、決済事務所のメイン業務は不動産売買時の名義変更手続きです。
名義変更と言っても、併せて売主の住所変更登記やローン完済に伴う抵当権抹消登記、買主のローン借入に伴う抵当権設定登記等も行います。
要は不動産を売買するときに必要な登記手続き一切を行うと言うことです。
他にも相続登記なんかも受任しますが、売買を前提とした相続登記を受任するケースが多いです。
決済事務所の業務量
これは業務の流れや事務所の仕事の進め方によってかなり異なると思いますが、私の実体験と私の同期から聞いた話で総合してお話します。
一人当たりの作業量は、概ね一か月あたり30案件程度を担当することが多いと思います。
1案件あたりの作業時間は、およそ5時間〜15時間程度になることが多いです。
もっと時間かかるんじゃない?とかもっと時間短縮出来るでしょ!と言う方もいると思いますので、計算根拠をある程度書いておきます。
- 受任・情報収集 ←30分〜1時間
- 見積もり・必要書類案内 ←30分〜1時間
- 書類の事前預かり ←1時間〜3時間(移動時間含む)
- 決済立会 ←3時間〜5時間(移動時間含む)
- 登記申請 ←1時間〜2時間
- 権利証等返却処理 ←1時間〜2時間
私が処理している決済業務の時は大体こんな感じです。
あとは案件毎の難易度や移動場所によって、かかる時間が変わるといった感じです。
次の章で決済当日の司法書士の一日を書きますので、それと照らし合わせて確認してみて欲しいのですが、作業の大枠はこんな感じです。
これを完全に一人で対処するか、分業して事務所内で回していくかでその負担は変わります。
単純な計算ですが、1案件平均10時間かかると仮定すれば、月の案件処理時間は300時間程度必要ということになります。
決済事務所の司法書士の一日
仮定条件として、
ここは東京都内の事務所です。移動時間は概ね1時間程度とします。
また、このスケジュールは私の実体験に基づきます。(笑)
8:00 事務所到着
8:00〜9:00 決済に行くための準備→移動
10:00 都内銀行内にて決済スタート
11:00 決済終了→移動
12:00 ローンが完済されたため、抹消銀行にて書類預かり→移動
13:00 市役所にて減税のための書類(住宅用家屋証明書)を取得→移動
14:00 事務所到着、登記申請
(ちなみにこの時に自分の机には別案件の連絡事項等で
いっぱいになっています)
15:00〜15:30 登記申請完了。別案件があればさらに登記申請を行う。
15:30〜18:00 この間に別案件の連絡を取らなければならない銀行、不動産
業者に連絡を取って情報収集
18:00〜 別案件の書類作成開始
翌日 一番上へ戻る
※決済事務所は12月と3月に繁忙期が来ます。その時の決済事務所はなかなか殺人的な業務量になります。
決済事務所のキツさは業務分担や補助者の質の高さによって決まる?!
さて、ここまで月の案件作業量と一日のスケジュールを紹介しました。
この中で司法書士が必ず行わなければならないものは「決済立会」のみです。
しかも最初から最後まで決済場所にいなくても大丈夫で、必要な確認だけ終えたら補助者を置いて別の決済場所に行ってしまうこともしばしばあります。
ただし、決済立会自体を補助者のみで行うのは司法書士法違反なので気をつけてください。
(昔は補助者のみの決済が横行してました)
決済立会以外は補助者が行っても問題ないので、その部分をどれだけ補助者が埋めてくれるか、または埋められる体制になっているかで仕事のキツさは全然違います。
もし、何もかも自分で処理しなければならないとしたら・・月間の業務時間300時間ですよ🥺
控え目にいっても過労死します。そしてその事務所は間違いなくブラックです。
ちなみにですが、決済事務所で毎日お昼に1時間休憩をもらえることはほとんどありません。
というか12時〜13時に事務所内にいることがあまりありません。
私はお昼休憩や休憩時間はきちんと確保されているものだと思っていたので軽くカルチャーショックを受けました。
決済事務所に勤めるならここをチェック!!
私は決済事務所を非難しているわけではありません。
ブラック決済事務所を非難しているだけです。
ごく少ないですが、ホワイト決済事務所も間違いなく存在します。
私はせっかく私の記事を読んでくれた人たちには「読んでおいて良かった!」と思ってもらいたいので、ブラック決済事務所に勤めないために、面接時に確認して欲しいことをお伝えしておきます。
- 月の担当案件数を確認する
- 補助者がどこまで業務を行うか確認する
- 平均残業時間を確認する(ただ、これは嘘をつかれる可能性があります)
- 事務所全体の月の決済本数と在籍司法書士数を確認する
この辺が確認できれば、どのくらい忙しい事務所なのかはわかると思います。
あとは面接官の雰囲気や事務所内の雰囲気が良ければ、それなりにホワイトな事務所に勤められるのではないでしょうか。
今日はこれで終わりです。
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